1. 食品工場立ち上げ

食品製造をするには営業許可取得は必須!工場の稼働までにやるべきこととは?

飲食店や食品製造など、新たに食品に関する営業を始めるには、食品衛生法に基づいて「営業許可」の取得や「営業届出」の提出を施設のある住所地を管轄する保健所に行わなければいけません。
このページを見られている方は、食品製造の中でも新たに缶詰製造に携わろうと考えている方が大半だと思いますので、缶詰製造に関する「営業許可」の取得が必要です。
では、どんな営業許可が必要で取得までは一体どういう流れなのか、また、それに関わる書類は何が必要なのかなどをご紹介します。

営業許可取得までの流れ

それではさっそく、営業許可を取得するまでの流れを見ていきましょう。
営業許可を必要とする業態は、食品の調理業や製造業、加工を伴う販売業です。
弊社が提案する小規模缶詰工場の導入であれば、「そうざい製造業」と「密封包装食品製造業」の営業許可が必要です。もしも、既存工場に缶詰製造機械を導入する場合は、すでに取得されている営業許可で製造できる可能性があるようですので、保健所にご確認ください。
進行状況によっては一部同時進行する項目もありますが、流れを分かりやすく書き出すと次のようになります。

①工場予定地や設備の選定と図面の作成を行う
②食品衛生責任者を定める(資格を有していない場合、食品衛生責任者養成講習会を受講しておく)
③作成した図面にて、工場のある住所地を管轄する保健所に事前相談をする
④営業許可の申請に必要な書類を作成し、保健所に申請を行う
⑤建物工事や設備導入を進める
⑥建物工事や設備導入が完了したら、保健所により施設基準を満たしているかの施設検査が行われる
⑦検査の結果、問題がなければ営業許可証が交付され、交付日から営業可能となる

とにもかくにも、営業許可を取得するには工場の図面がないことには始まりませんから、まずは工場の候補となる場所を探して、どんな設備を配置するのかを検討するところからスタートとなります。
加えて、この作業と並行して行わないといけないのが、食品衛生責任者の選定です。
食品衛生法により、1名以上の食品衛生責任者を設置することが義務づけられていますので、必ず設置するようにしましょう(もしも、食品衛生責任者の資格を有していない方を選定する場合は、営業許可申請を提出する前に、食品衛生責任者養成講習会の受講を済ませておきましょう)。
そして図面が完成すれば、それを持って保健所に出向きます。保健所では、図面に記載された内容が施設基準を満たしているかどうかを確認のうえ、改善点があれば営業許可がおりるようにアドバイスをもらえます。
この事前相談で特に問題がなければ、営業許可の申請に必要な書類を作成します。
そして、書類申請・建物工事・設備導入が完了すれば保健所による施設検査が行われ、この検査にて問題がないと判断されれば営業許可証が交付され、晴れて工場を稼働することができるという流れです。
営業許可証は、申請から交付までおよそ2〜3週間かかります。工場稼働開始日から逆算して、予定通りに申請が進むよう段取りを組んで臨みましょう。

申請に必要な書類と申請手数料

前項では、申請に関する一通りの流れを見てきました。
次は、営業許可の申請に必要な書類には何があるのかを見ていこうと思います。
京都府が運営するホームページの中の「新たに営業許可を受けたい方へ」によると、営業許可の申請に必要な書類は、次のように記載されています。

・営業許可申請書
・施設の構造及び設備を示す図面
・手数料(業種によって異なります)
・食品衛生責任者であることを証する書類又は誓約書
・他にも書類が必要になる場合がありますので、最寄りの保健所にご確認ください。

引用:京都府「新たに営業許可を受けたい方へ」
https://www.pref.kyoto.jp/shoku-anshin/seikatsu/kyokatetuduki.html〉(最終アクセス2022年3月1日)

仮に京都府で缶詰製造を行う場合の手数料は、「そうざい製造業」「密封包装食品製造業」ともに21,420円です。手数料額は、地域によって金額が異なりますので、工場のある住所地の自治体のホームページをご確認ください。それでも分からない場合は、保健所にお問い合わせください。
また、営業許可の申請に必要な書類の最後の項目ですが、申請者の状況によって必要な書類が追加になるようです。例えば、法人が申請する場合であれば「登記事項証明書」が、貯水槽や井戸水を利用する場合であれば「水質検査成績書」が必要とのことです。このあたりも保健所から指示があると思いますので、それに従って書類を作成してください。

食品衛生責任者の役割と資格取得方法

営業許可を取得する流れにおいて、法律に関わる重要な部分がありました。
それは、「食品衛生責任者」という資格を取得しなければいけないことです。
食品衛生責任者は、従業員や施設の衛生管理を行う責任者です。
公益社団法人京都府食品衛生協会が運営するホームページの中の「食品衛生責任者講習会」によると、次の資格があれば食品衛生責任者になれると記載されています。
※他にも食品衛生責任者になることができる資格があるようなので、保健所へお問い合わせください。

●栄養士、調理師、製菓衛生師、食品衛生管理者、食鳥処理衛生管理者又は船舶料理士。
●医師、歯科医師、薬剤師又は獣医師の資格があるか、大学等で所定の課程を修めた者。
●都道府県又は市の指定した食品衛生責任者養成講習会を受講した者等。

引用:公益社団法人京都府食品衛生協会「食品衛生責任者講習会」
https://www.kyoto-pref-fha.jp/session/〉(最終アクセス2022年3月1日)

従業員の中にこれらの資格のいずれかをお持ちの方がいれば、その方を食品衛生責任者とすることができます。しかし、これらの資格のいずれかをお持ちの従業員がいなければ、食品衛生責任者養成講習会を受講して資格を取得する流れです。受講者は誰でもかまいません。
ただし、年齢などの要件がありますので確認のうえ受講してください。
先にも述べたように、各工場に1名以上の食品衛生責任者を設置することが義務づけられています。
例えば、A工場とB工場の2工場を稼働させる場合、同じ者が両方の工場の食品衛生責任者となることはできません。つまり、A工場で1名以上、B工場で1名以上の食品衛生責任者を設置しなければいけませんのでご注意ください。
下記に、各自治体の食品衛生協会のホームページのURLを記載しておきます。
まずは、工場のある住所地の自治体の食品衛生協会より、食品衛生責任者養成講習会の日程等をご確認ください。

この講習会は、必ずしも住所地の自治体で受けなければならないということではないようです。加えて受講料も自治体によって変わります。ご自身にとって都合の良い自治体で講習を受けるようにしましょう。

いかがでしたか?
ここまで缶詰製造を始めることを前提に、工場を稼働させるまでにやるべき内容をご紹介してきました。もし、この記事をご覧になっている方で、缶詰製造以外の食品製造をお考えの場合は該当する営業許可を取得してください。営業許可の種類は、清涼飲料水製造業や冷凍食品製造業など、実に32もの種類があります。何の製造業等に携わりたいのか保健所に伝えれば、どんな営業許可を取得すればいいかのアドバイスをいただけます。手続きの流れについては、上記とほとんど同じです。

また、保健所は工場を始める時からお世話になるところでもあります。手続きの段階から顔馴染みになっておくと、相談しやすくなるメリットもあります。積極的に活用していきましょう。

工場導入にご興味がおありの方は、こちらよりお問い合わせください。

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