1. 食品工場立ち上げ

急がば回れ!まずは商品開発とテストマーケティング、そして販路開拓から始めよう!

弊社へのお問い合わせの中で、「すぐにでも工場を導入したい」とのお声をたくさんいただきます。
すでに食品製造に携わっておられ販路もそれなりにある方であれば、缶詰製造を始められても問題はないと思います。しかし、異業種の方や販路がない方は、急いで工場導入をされるのはおすすめしません。
なぜかと言いますと、製造設備を導入して工場を稼働したはいいけれど、製造できる商品がなく機械を遊ばせてしまったり、販路がなく在庫をたくさん抱えてしまったりといったリスクを負う可能性が非常に高いからです。
そこで、弊社が提案する少量多品種生産の特徴や缶詰の販売価格、商品開発やテストマーケティング、販路開拓をどのように行うのかについてご紹介します。

少量多品種生産の5つの特徴

少量多品種生産の特徴をお話する前に、大量生産について少し触れておきましょう。
大量生産とは、1種類の商品を同じ品質で大量に生産することを指します。大量少品種生産とも言い換えることができ、大手食品工場が得意とする生産方式です。しかし、中小企業がこの仕組みを取り入れるには、大型機械の設置や多くの従業員の確保といった設備スペースや費用面でのハードルが高いのです。
そこで弊社は、小型の機械と少ない従業員(5〜6名)で製造できる少量多品種生産の仕組みを構築し、皆さんにご提案しています。

少量多品種生産の特徴は、次の5つです。
①大量生産に比べて、在庫リスクを減らすことができる。
②在庫リスクが少ないから、テストマーケティングにより消費者ニーズを探りやすい。
 また、消費者ニーズを商品開発に活かして、すぐにテスト製造ができる。
③手詰めだから缶詰を開けた時の見栄えが良い。
 したがって大量生産と差別化できる。
④日ごとに生産する商品を変えられるので、商品ラインナップを増やすことができる。
⑤製造原価が高くなり、販売価格も高額となる。

少量多品種生産は、リスクが全くないというわけではなく考えられるリスクを可能な限り減らした生産方式です。だからこそ、中小企業の方との親和性も高いのではないかと考えます。
ただ、ひとつだけ難点があります。それは⑤です。
次の項目では、この⑤についてもう少し深掘りしていきます。

シーチキンの約11倍!少量生産における缶詰の販売価格

では、どうして⑤は難点となるのでしょうか。
そのカラクリを、製造原価の構成と参考価格を交えてご説明します。
まず製造原価は、原料費、加工賃、容器代、資材代、パッケージ代で構成されます。
シーチキンくらいの大きさの缶詰を製造する場合、仮に、使用する食材の数が少ない一番簡単なレシピを使って、kg単価2,700円のメイン食材を缶詰にすると、おおよそ原料費が300円(全ての原料費込み)、加工賃が200円、容器代が55円、資材代が5円、パッケージ代が150円と算出されます。よって、製造原価は710円となり、仮に原価率を50%とすると販売価格はおよそ1,500円(弊社提携工場での製造)と計算できます。
ただし、工場を導入されるのであれば加工賃は融通をきかせられる項目となります。
極端な話ですが、加工賃を0円にすると製造原価は510円となり、原価率は上記と同じ条件である50%とすると、販売価格はおよそ1,100円と算出されます。

ここで比較対象のため、スーパーに並んでいるシーチキンの缶詰の価格を思い出してみてください。
1缶100円ほどで販売されていると思いますが、この価格を実現できているのは、大量に原料を仕入れて、工場で大量生産(1日60万缶製造)することでコストを抑えているからです。
少量多品種生産の場合、原料の仕入れ量や生産できる量が少ないため、シーチキンの約11倍の価格になってしまいます。缶詰は安いというイメージがあるので非常に高く感じますよね。高価格帯になることは変えられない事実ですから、大手にはできない高付加価値の商品を開発する必要が出てきます。

売れる商品を作る秘訣は、商品開発とテストマーケティングを繰り返すこと

商品開発からテストマーケティングまでは、次のような流れです。
商品企画→試作(何度か行う)→テスト製造→テストマーケティング

まずはじめに、テストマーケティングについて少し触れておこうと思います。
テストマーケティングとは、簡単に言うと試験販売を意味します。これから皆さんが商品開発をして製造する商品は、販売実績がない新商品です。どれだけ売れるのかは未知数です。
ですから、実際に販売してその商品が消費者のニーズに合致しているのかを探っていきます。

例えば数種類の商品を100個ずつ製造し試験販売をします。
そして消費者のニーズに合致している商品を少し量を増やして(例えば初回+100個)製造・試験販売をします。さらに消費者のニーズに合致している商品を少し量を増やして(例えば2回目+200個)製造・試験販売をする戦略をとり、試験販売により売れる商品を絞り込んでいく作業を繰り返します。
この作業を繰り返す中で、消費者から試食したフィードバックがあるかもしれません。
そういった消費者からの声もレシピに盛り込みながら、改良を加えていき最後に残ったレシピ(売れる可能性の高い商品)で量産化をします。
また、消費者のニーズに合致させるためには、商品企画の段階でモノを売る戦略ではなく、その商品が持つストーリーをしっかり打ち出した企画の考案が重要です。
これが前項の最後に触れた高付加価値の商品開発をすることにつながります。
詳しくは、下記ページもご覧ください。
https://foome.canbright.co.jp/(ただいま執筆中です。もうしばらくお待ちください)

繰り返しになりますが、少量生産の缶詰は販売価格が高くなります。
売れるか売れないかは、商品企画をどれだけ綿密に練られているかが明暗を分けると言っても過言ではありません。

販路開拓はコツコツと!テスト製造した商品で営業をかける!

販売先をお持ちでない方は、テスト製造で完成した商品にてテストマーケティングを行うとともに、新しい販売先を見つける販路開拓も並行して行わなければいけません。
販路開拓は大きく2つ、オンラインで行う方法とオフラインで行う方法があります。

【オンラインで行う方法】
・自社のECサイトでの販売
・ECモールへの出店
・SNS(Twitter、Instagram)の活用
・ブログやメルマガの活用
・動画共有サイトの活用

【オフラインで行う方法】
・ダイレクトメール
・地道な営業活動
・雑誌や書籍への露出
・ふるさと納税の返礼品

現代はいつでもどこでもネット環境につなげられる便利な世の中ですので、オンラインでの販路開拓がおすすめです。オンラインを活用すれば、例えば年代、性別、購入した商品、個数、金額等のデータを入手することも可能です。しかも、これらのデータを適切な販路を選択する際の基準として活用できますし、24時間販売できるという利点もあります。

オンラインで行うのか、オフラインで行うのかについては、ターゲットとする年齢層によっても変わってきます。どの手法で行うかの判断は商品企画で確定した内容に沿って行いましょう。
また、広告予算をかけられるのであれば、インターネット上や雑誌、交通広告などの媒体に掲載して商品の訴求を行い、販売場所へ誘導することも可能です。
他にも、お付き合いのあるECモールや販売店があれば、商品を置いてもらうよう交渉することも考えられます。あまり営業活動ができない場合は、このようにつながりのある身近なところから始めるという手法もあります。
※弊社では、販路開拓のお手伝いはしておりません。あらかじめご了承ください。

いかがでしたか?
工場導入は多額の費用がかかります。
機械のみの購入だけでもまとまった費用が必要ですし、イチから工場を建てるとなると土地代や建物工事費用を含めて数千万円はかかります。
だからこそ、事前に考えられるリスクは減らしておく必要があります。
工場を稼働したはいいけれど商品開発をしていなかったので製造できる商品がない、商品の量産化に入ったはいいけれど販路開拓をしていなかったので販売先が全くない状態では、機械を放置し続けたり在庫を抱えたりといったリスクを負うことは目に見えています。
たとえ、補助金の活用を考えられている場合でもこのような状態に陥らないよう、まずは商品開発とテストマーケティングを繰り返し行って売れる商品へと育てあげるとともに、販路開拓も並行して行い、売上につながるような体制を構築していきましょう。

工場導入にご興味がおありの方は、こちらよりお問い合わせください。

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