1. 食品工場立ち上げ

缶詰製造事業への参入を考えている方必見!缶詰製造に必要な機械5点をご紹介

「缶詰製造をはじめたいけれど、どんな機械を購入すればいいのだろう」
「機械の購入費用はどれくらいかかるのだろう」
缶詰製造事業への参入を考えている方は、このような疑問をお持ちではないでしょうか。そんな疑問に、少量生産(1日200〜300缶製造)をする観点からお答えします。中小企業への導入を大前提としているので、比較的リーズナブルな機械を選んでおります。
なお、機械類の販売はフクシマガリレイ株式会社様にお願いしていますので、ご依頼いただきましたら弊社からおつなぎいたします。

真空巻締機
缶内部の空気を抜きながら、蓋を巻き締めて密封する機械

製罐メーカー大手の東洋製罐製の巻締機です。
使い方はいたって簡単です。蓋をのせた缶を機械にセッティングして写真の緑のボタンを両手で押すだけ。生産能力は1分間に4〜6缶なので、例えば300缶を巻き締めるのであれば、50〜75分で完了できる計算です。

巻き締められる缶のサイズは、東洋製罐製の平3号缶、6号缶の2サイズのみ(いずれも内部がコーティングされている缶)。弊社のシステムをご利用いただければ、上記2種類の缶を段ボール単位で購入可能です。

続いて納品時の付属品についてですが、巻締機本体以外に真空引きをするためのバキュームポンプとタンクが付属します。本体と付属品を合わせた重量は約500kg。床材がこの重さに耐えられるか、転倒防止のためにアンカーを打つことができるかといった確認が必要です。また、水気の多いところでは、錆が発生する原因となるので使用できません。仮に、水気の多いところで使用される場合、業務用除湿機などによる湿度対策が必要です。

レトルト殺菌器(蒸気式)
缶に詰めた食材の中心温度が121℃になるよう高温殺菌する機械

もともとはレトルトパウチとびん詰をレトルト殺菌する機械でしたが、弊社独自のプログラミングに変更し、缶詰もレトルト殺菌ができる設定に改良しています。レトルト殺菌は、常温で長期保存するために必要な工程で、殺菌にかける温度と時間は食品衛生法で120℃4分以上の熱量をかけると規定されています。

1回のレトルト殺菌にかかる時間は1時間半ほど。1回にレトルト殺菌できる缶数は、平3号缶は約120缶、6号缶は約80缶。1日にレトルト殺菌できる缶数は、食材を缶に詰める時間や営業時間内に製造を完了させることを鑑みるとそれぞれ約240〜250缶、約200缶ほどです。
例えば、この機械を2台導入される場合、平3号缶は約500缶、6号缶は約400缶製造できます。つまり、製造できる缶数は、この機械の導入台数によって決まります。仮に、1日1種類を1,000缶製造される場合は、費用対効果を考えて大型のレトルト殺菌釜をご検討ください。

また、レトルト殺菌が終わると庫内に貯まった熱水を排水します。熱水による水道管の変形を防ぐため、排水管は鋼管を採用します。

恒温器
最も菌が繁殖しやすい35℃の温度帯を維持する機械

製造した缶詰を恒温器内で保管し、膨張検査や加速度試験を行うために使用します。
膨張検査は、缶詰製造後2週間保管し、殺菌不良がないかどうかを確認します。もし殺菌不良が起こっていれば、菌が出すガスにより缶が膨張します。膨張したということは、缶詰の内部で菌が繁殖したと分かるので、その製造ロットは販売できません。
加速度試験は、賞味期限の延長可否の決定や官能検査のために行います。恒温器内での保管期間は、製造後すぐから5ヶ月、10ヶ月、15ヶ月です。その名の通り、恒温器内は3倍の時間が経過すると仮定されます。よって、缶詰の中身は15ヶ月後、30ヶ月後、45ヶ月後の見た目や味、食感に近しい状態となります。

賞味期限の設定は、弊社の知見に基づいて判断できれば2年もしくは3年で設定をしますが、判断できなければ1年半で設定し、官能検査を行って賞味期限を延長していく方法をとります。
例えば、賞味期限を2年で設定した商品があるとします。恒温器に15ヶ月入れておけば45ヶ月経った商品に近しい状態となるので、この段階で試食して商品としての基準をクリアしていればそのまま継続販売しても問題ありません。加えて、45ヶ月=3年9ヶ月経っているので、この時点で賞味期限を3年に延長します。
製造段階で3年の賞味期限を設定した場合、缶の耐用年数3年を越えての賞味期限の延長はできません。ですから、賞味期限の確認をするのではなく、見た目や味、食感の変化を確認します。ただし、賞味期限内でも予期せぬ内容物の変化があるかもしれません。そのため、5ヶ月、10ヶ月、15ヶ月のタイミングで官能検査を行います。商品としての基準がクリアされていなければ、賞味期限内であっても回収するなどの対応が発生する可能性があります。

上記でご紹介した加速度試験の流れはオーソドックスな流れです。この通りでないとダメだということではありません。また、加速度試験はあくまでもテストという位置付けです。この試験と並行して現物を常温保管しておき、実際に賞味期限がきた商品についても官能検査を行ってください。
加速度試験の結果だけで判断するのではなく、実際の商品でも判断することを徹底しましょう。

印字機
賞味期限や製造年月日を缶に直接印字する機械
印字機

印字機は缶に賞味期限や製造年月日を直接印字できる機械です。レトルト殺菌前もしくは後に缶に直接印字して販売します。
ただし、市場に出回っていないレシピで商品化を考えている、もしくは繊細な味だから少しずつ賞味期限の延長を考えているのであれば、印字機は賞味期限の変更はできないのでテプラをおすすめします。
※印字機はWindows環境でないと使用できませんので、Mac環境の方はWindowsPCの購入が必要です。

蒸気殺菌庫
容器の事前殺菌、食材の表面殺菌や中の空気を抜くために使用する機械

蒸気が発生する電気式の蒸し器です。
設定温度に到達後、指定時間カウントダウンできるタイマーが付いているスチームコンベクションオーブンをお持ちの方は、それで代用可能です。

「缶詰は121℃でレトルト殺菌するから、容器の事前殺菌や食材の表面殺菌は不要では?」と思われるかもしれませんが、食中毒菌のリスクを減らすのと、食材の中の空気を抜き酸化を防ぐ2つの目的があります。缶詰は、巻き締めとレトルト殺菌がきちんとできていれば安心安全に食べられます。さらに、食中毒や風味・味の劣化につながるリスクはあらかじめ取り除いておく方が、より安心安全な商品となるでしょう。

以上が、缶詰製造に必要な機械5点の全容です。
缶詰事業へ参入するうえでキモとなる機械は、真空巻締機とレトルト殺菌器です。巻き締めがきちんとできていなかったりレトルト殺菌ができていなかったりすると、菌の繁殖を招いてしまうので常温流通させることができません。ですので、この2つの機械は慎重にお選びください。

すでに、食品加工をされている工場であれば調理設備などは揃っていますので、不足の設備がない限りは上記の5点を導入いただければ缶詰製造が可能です。更地から工場を建設する、もしくは、工場の居抜き物件を活用して缶詰製造をはじめられる方は、上記以外にも冷蔵庫や冷凍庫、調理設備などを導入いただく必要があります。
缶詰工場と聞くと大規模な設備が必要だと考えてしまいがちですが、弊社がご提案する30坪ほどの工場(1日200〜300缶製造)であれば、意外とシンプルな設備でできるとお分かりいただけたのではないでしょうか。
また、機械を導入したはいいけれど、製造や商品開発の仕方が分からないという方に向けて研修を行っております。詳しくは、こちらもご覧ください。
ぜひ、参考にしていただき、事業計画の一つとして缶詰製造をお考えいただければと思います。

工場導入にご興味がおありの方は、こちらよりお問い合わせください。

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